公益財団法人 日本生涯学習協議会(所管:内閣府) 監修・認定 パンコーディネーター認定講座主催

一般社団法人 日本パンコーディネーター協会は、パンを通じた生涯学習の普及推進を活動の大きな目標に掲げ、食の世界でのプロフェッショナルを育成・輩出することを目的としています

 

HOME > イベントのご案内 > 「売れるパン屋の作り方」セミナー開催レポート

過去のイベント・セミナー

「売れるパン屋の作り方」セミナー開催レポート 終了いたしました
場所:

【東京】日清製粉株式会社 本社ビル/小網町ビル

【大阪】オリエンタル酵母工業株式会社 大阪工場

講師:
株式会社 船井総合研究所
フードビジネスグループ 経営コンサルタント
今野良香

image

近年、製パン技術の革新は著しく向上し、職人の技術レベルも高いことから、どこのお店においても「おいしいパンを売っているのは当たり前」の時代になりました。そのため、これまでの作る側の技術ノウハウに加え、作ったパンの美味しさ(特徴やこだわりなど)を、いかにお客様に伝え、その価値を見出してもらえるかが、これからの差別化を図るためには不可欠であり、さらに自店のファン(固定客)を逃さず、増やしていくことこそが、売り上げを伸ばす最大の手段であり、鍵になると考えられるようになっています。


こうした背景のもと、パン食普及推進とパン市場の発展を願う一般社団法人 日本パンコーディネーター協会(JPCA)では、パン・菓子業界のコンサルタントとしてご活躍され、多くの実績を持つ、株式会社船井総合研究所とのコラボレーションによる“売れるパン屋の作り方セミナー”を企画し、第1回「パン屋さんのマーケティング」、第2回「手書きPOP作成術」とそれぞれテーマを分け、全2回にわたって、東京・大阪の2会場で開催致しました。

講師は、株式会社船井総合研究所の今野良香氏。今野先生は、現在、ベーカリー業・菓子業を中心とした「女性客がターゲット」の多岐にわたる業種での活性化を支援しており、特に、お客様の心を惹きつける女性の視点を大切にした販促戦略は多方面から高い評価を受けていらっしゃいます。ほか、売場づくり・販促戦略をメインに行う「コストをかけないリニューアル」では圧倒的な成功事例の実績をお持ちの“マーケティングのスペシャリスト”として、第一線でご活躍中の先生でいらっしゃいます。

第1回目のテーマは 「3ヶ月で売上2ケタアップする!パン屋さんのマーケティング術」

この回では、ベーカリー経営者・店長レベルの受講者を対象に、商品を大きく変えることなく、伝え方を変えるだけで、売上を大幅アップさせることができる“誰もが、今日からすぐに実践でき、即効性があるマーケティング術”を、今野先生のこれまでの経験と成功事例をもとに、専門的なノウハウをわかりやすく解説していただきながら進められました。


セミナーは、船井流経営法からパン屋さんの売り上げの仕組みを知るところから始まります。
まず、即時に業績を向上させる手法として、「長所伸展法」という、悪いところを直すより、良いところ・伸びているものをより伸ばすという方法があるそうです。例えば、儲からない商品の売り上げを2倍にして得られる利益よりも、もともと儲かっている商品に力を入れて、その利益を2倍にした方が儲かるということ。つまり、昨年比より売上をアップさせるために最も大切な事として、自店の一番売れる時期(季節・月・曜日)・時間・とき・場所・商品・客層、そして儲かる商品といった項目を確認し、そこで、最大の売り上げを作ることが秘訣であるということを、様々な事例を用いて受講者に伝えられました。

image

販売促進の鉄則は5つ、@1番になれる商圏を探す A「1番」の商品をとことん訴求する B1番きてくれる客層にどんどん訴求する C他店にないものを訴求する Dシェアが高い店ほど、接客が販促になる

また、「一番化商法」という手法も紹介されました。マーケティングにおいて、「どこで(商圏)」「なにで(商品)」「誰に対して(客層)」「どうやって(販促)」という4つの“1番”を持つことが基本であり、その“1番”にも「ナンバー1」「オンリー1」「ファースト1」の3パターンがあるそうです。どれでもいい、どんなにしぼりこんでもよいので今のお店にとっての一番をつくること(=力相応一番法)が重要で、更に、自分のお店のメインターゲットをその人のライフスタイルまで細かく具体的に設定し、どのような商品を求めているかまで落とし込むという作業も、販売戦略を決めるうえでの第一歩であると唱えられました。
続いて、販売促進手法の検討方法についてのお話もありました。お店にいらっしゃるお客様は、売上の7〜8割程度を占める@信者客層 Aファン客層 B友人客層(これらの層は固定客ともいわれる)、売上の2〜3割程度を占めるC知人客層 D新規客層、まだ購入経験のないE見込客層の6階層に分けることができるそうですが、最終的にC〜Eの階層のお客様の固定客化をすすめることが重要になるのだそうです。そのためには、それぞれの階層に合わせた販促を行う必要があり、例えば、媒体(店内ツール・DM・ポイントカード・携帯販促・チラシなど)やテーマ(セール・イベント・プレゼント・など)を階層ごとに検討することが最も効果的とのこと。
具体例として、@信者客層の場合、そのお店の商品、もしくはお店が好きで来ているので、実際のところ接客でしか訴求するのは難しく、店内ツール(POP)で訴求力をアップしたり、接客の延長として進物カタログを進呈するなどが考えられ、Aファン客層 B友人客層については、“あなただけ”という特別感や、“また行きたい”と思わせる期待感を抱いていただけるような案内、例えばシークレットセール企画や、来店イベント、プレゼントに関するDMを送るなどが考えられるそうです。
その他、媒体の出し方のコツもテクニックとして重要なのだそうですが、性別や年齢によっても興味や好みが異なり、訴求の仕方が変わってくるため、販促媒体、商品、店内の雰囲気なども考慮し、特に、店内における販促ツール(POP)は欠かせないというお話もありました。
最後に、「コンセプト(こだわり)のないお店は衰退してゆく、最後に残るお店は、本当においしく、お客様を感動させられる店です」という言葉で、売り上げアップのノウハウがぎっしり詰まった濃密な3時間はあっという間に過ぎていきました。

(第二弾は次回へ続く)



日時:

第1回 「3ヶ月で売上2ケタアップする!パン屋さんのマーケティング術」

【東京】2010年3月2日(火)13:00〜16:00【大阪】2010年5月18日(火)13:00〜16:00

第2回 「5倍売れるようになる!パン屋さんの手書きPOP作成術」

【東京】2010年5月11日(火)13:00〜16:00【大阪】2010年7月13日(火)13:00〜16:00


ページTOPへ
Copyright(C)2008-2010 JPCA All right reserverd.