公益財団法人 日本生涯学習協議会(所管:内閣府) 監修・認定 パンコーディネーター認定講座主催

一般社団法人 日本パンコーディネーター協会は、パンを通じた生涯学習の普及推進を活動の大きな目標に掲げ、食の世界でのプロフェッショナルを育成・輩出することを目的としています

 

HOME > イベントのご案内 > 日清製粉主催 創食clubパンセミナー 「パンの魅力発見!セミナー」レポート

過去のイベント・セミナー

ベーカリーのためのパンの魅力発見!セミナー
〜パンの楽しさを、お客様に伝えよう〜
終了いたしました
日時:
2011年1月25日(火)
場所:
【東京】ドーバー洋酒貿易株式会社 本社セミナーホール/東京都渋谷区上原
講師:
一般社団法人 日本パンコーディネーター協会  代表 稲垣智子

image日清製粉「創・食Club」では、一般社団法人 日本パンコーディネーター協会 代表 稲垣智子を講師に迎え、ベーカリー会員に向けたセミナー「パンの魅力発見!〜パンの楽しさを、お客様に伝えよう〜」を開催しました。(創・食Clubとは日清製粉株式会社が運営する会員制コミュニケーションクラブです。)

近年、食シーンの多様化、好みや食感へのこだわり、そして食全般に見られる健康志向や安全志向といった時代の流れにともない、生活者の食に対する意識の変化は高まりつつあります。そんな食の意識の流れを敏感にキャッチしながら、新たな食の創造を図ることが店づくり商品づくりの鍵になると考えられるようになってきました。こうした背景のもと、製法技術・商品レシピ・生活者の意識調査などあらゆる角度から販促支援をおこなう創・食Clubでは、パンの魅力や生活者の考えを知ることを目的とした、パンを楽しむセミナーを開催しました。

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花やリボンで春らしいテーブルコーディネートに。

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講演中におもてなしとしてふるまわれたスイーツパン/塩バターラスクのチーズケーキ〜ストロベリー&チョコとナッツ

二部構成からなる今回のセミナーには、ベーカリー経営者・販売・製造担当者を対象に応募を行い、定員数を超える60数名の方々が参加しました。
パンのある生活を常に創造し提案している講師の稲垣氏は、昨年開催されたパン食系女子会セミナーにおいても、パンのある新しいライフスタイルの提案を行ってきました。「今回のセミナーを通して、参加者の皆さんにはパンのある生活を自ら創造し体験してほしい。」そんな稲垣氏の思いは会場のセッティングからも伝わってきます。講演中も会話やコミュニケーションを通じて楽しんでもらえるよう、参加者の席は6人ずつのグループ席とし、それぞれのテーブルにはクロスが敷かれ、花やキャンドルを飾ることで和やかな雰囲気に。また、おもてなしとしてパンを使ったデザート菓子がふるまわれました。通常の講演会にはない、華やかなセミナースタイルと演出で、参加者のみなさんにさっそく“楽しむ”を感じていただきました。




「売るため」だけではなく「楽しむ」を考える

大手カフェチェーンでの店舗運営や商品開発の経験もある稲垣氏は、自身の経験から「まずは自分達がパンを楽しむことが大切。そして楽しいを人に伝える。そんな流れでパン作りをしてみてはどうでしょう。」と語りかけ、パンの特徴を味以外の面から分析してみることを提案しました。
image例えばフランスパン。バゲットの魅力や楽しみ方について、棒状の形状はスライスの厚みを変えることでおつまみにも料理にも変身させることができます。またしっかりとした生地は崩れにくいため、アウトドアにも適しています。このように形や硬さなどパンの持つ個性を知ることで、食べ方やシーンはいくつも連想されます。
また生活シーンにおけるパンの楽しみとして、ストーリー性のある食べ方・楽しみ方のバリエーションを心がけることも大切とお話しました。「いつ、どこで、誰と、どうやって食べたいのか、何と一緒に食べたいのか、なぜ食べたいのか・・・・・?」を考えてみること。例えば同じフレンチトーストでも女性向けなら豆乳をつかった低カロリーに、子供向けにはチーズを使ってカルシウムたっぷりに、男性にはボリューム満点に・・・など、アレンジは広がります。固定概念に縛られない豊かな発想がパンの持つ魅力や可能性を引き出し、単に食品としての楽しみにとどまらない多様な変化を生み出し、新しいパンの提案につながります。


「パンのペアリング」は食シーンや、コミュニケーションを広げる

続いて、参加者のみなさんには3種類のパンとともに「ペアリング連想シート」(パンの特徴を書き出すシート)が配られました。パンは苺のデニッシュ・ヴィエノワショコラ・シナモンロールの3種が配られ、それぞれ個性の違うパンを試食し、それぞれに合う飲み物を考えるペアリング実習が行われました。

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パンに合う飲み物を考えるペアリング実習。 左:ヴィエノワショコラ、中:苺のデニッシュ、右:シナモンロール

例えば、シナモンロールならチャイを合わせて、スパイスの相乗効果を楽しみます。またシナモンと好相性のアップルティーもおすすめです。またパンはお酒とのペアリングもぴったりとのお話も。ヴィエノワショコラを黒ビールと合わせると、ビールの深いコクや香ばしさに、カカオがぴったりマッチします。パンに合う飲み物を考える際のコツは、味わいのバランスを合わせること、原料を合わせることがポイントになるそうです。
お客さんとのふとした会話の中に、パンのペアリングについてひと言添えられたら、いつもと違った楽しみ方や提案ができるのではないでしょうか。またスタッフ同士でこうした発想を共有することで、社内はもちろんお客さんとのコミュニケーションにも広がりが生まれます。それはお客さんの考えやニーズを知るきっかけとなり、新しい商品へのアイデアにつながります。

最後に、おいしいベーカリーはただパンを作って売るだけではなくて、おいしい食べ方をも提案してくれます。それは、お客さんと自分のしあわせ“楽しみ”のために。まずは自分自身がパンを楽しんでください。楽しむことの連鎖は必ずお客さんへと伝わります。とのメッセージをいただき、新たなパンの魅力と稲垣氏のパンへの思い溢れるセミナーは大盛況のうちに終了しました。

セミナーレポート:更家友美(パンコーディネーター エキスパート)

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