この日は、「パン大好きマタニティさん集まれ！」と題し、パンコーディネーターのさかまきよしみ先生による“栄養学を取り入れながら、ご自身の体調に合わせたオリジナルブレッドを作る”マタニティ向けのパンづくり教室を行いました。

 

“パンには塩分をはじめ、油脂や糖分が多い”という端的なイメージから、妊婦さんへの一般的な栄養指導は、「パン食を控えるように」もしくは「食べてはだめ！」というケースが多いそうです。以前、ご自身も勤務されていた病院内で栄養指導をしていた経験があるというさかまき先生は、「なんでも摂りすぎは良くない。けれど、きちんと自分に必要な栄養素を選んで体に取り入れれば、食べてはいけないものなんて一つもないです。」と促し、パンは野菜や果物といった食材（おかず）と一緒に食べやすく、組み合わせもしやすいので、我慢せずに是非取り入れてほしいと続けます。
そういったお話から始まったパンづくりは、貧血によいとされるドライフルーツ、体の毒素を洗い流す効果があり、薬膳学会も注目しているという小豆、カルシウムが豊富なチーズなど、自分が今必要に感じている栄養素を、シンプルで簡単にできる「フォカッチャ」生地と一緒に焼きあげて楽しむというものでした。

参加者の「なんだか粘土あそびみたいで楽しい」という言葉に、さかまき先生は「そうなんです！口に入れても安全ですし、子供は大好きですから、お子様が生まれて大きくなったら、是非一緒にパンづくりを楽しんでください」と、そして、「台所には、いつも音と香りがあふれています。パンは香りです。パンはとっても簡単に作れるので、朝、お米を研ぐように小麦を捏ねてほしい・・・」と話します。

発酵時間中は、先生の作ったお豆入りのパンと、今の時期にぴったりの温かな栗のポタージュでランチタイム。幅広い知識をお持ちのさかまきさんのお話+先輩ママとしての体験談など、パンの話だけにとどまらず、参加者との会話も大きくふくらみます。 ようやく全員のオリジナルブレッドが焼き上がり、部屋いっぱいに広がったパンの香りに包まれながらのワークショップの締めくくりは“本の読み聞かせ”。 実は、さかまき先生はご自身で主催している子供料理教室でも、必ず絵本を読み聞かせているのだそう。今日は、新しい命と向き合うママたちへ贈るメッセージと、屋久島の大自然が魅せる命の輝きをおさめたフォトブック「BIRTH」を読み聞かせていただき、終了となりました。

参加者からは、パン作りがこんなに楽しいものだとは思わなかった、改めて「食」や、「楽しく食べる」ことの大切さを感じる良い機会になったという声をいただきました。ありがとうございます。

《講師プロフィール》

さかまき よしみ

栄養士/パンコーディネーター/ベジタブル&フルーツマイスター/十勝ワインバイザー/食育インストラクター
専門学校卒業後、病院栄養士として勤務。 出産を機に退職、その後は保育園や小学校の給食業務に携わる。 もっと身近に子どもたちと食のはなしができる場所を求め、abc kidsの講師を務める。傍らにスーパー紀ノ国屋などのレシピ開発を手がけている。 2008年春自宅に教室を設置。１つの視点にとらわれずに生まれた感性をひと皿にのせて日々料理を楽しむことを心がけている。