[協会設立記念講演]
4人のパンのスペシャリストが語る!“パンのおいしさについて”
第2回講演 : 清水 美穂子さん
- 日時:
- 2007年10月11日(木)
- 時間:
- 19:00〜21:00
- 場所:
- 世田谷ものづくり学校
- 講師:
- 清水 美穂子 (All Aboutパンガイド/ブレッドジャーナリスト)
記念講演2回目にあたるスペシャリストとして、オールアバウト・パンガイドで、ブレッドジャーナリストの清水美穂子さんをお招きし、優雅で洗練された雰囲気の中、テーマである「パンのおいしさについて」語って頂いた後、パンとパン料理の素敵な写真と共に“おいしいパンをよりおいしくするもの”についての素敵なお話をしていただきました。
清水美穂子さんは、美味しいパンとそれをつくる人びと、そのまわりにあるものを取材し、新しくできたパン屋さんの話、パンのひときれから見える食文化やスタイル、職人哲学、伝統と流行、日常のパンをどんな風にして食べたらワクワクするか、お洒落か、美味しくて心と体のためになるかといった、パンを本質的に愉しむための小さなヒントやパンを取り巻く美味しい情報を発信し「パンのある食事の愉しみ」を提案している第一人者です。
そんな清水さんの講演会は、
「あなたにとってパンのおいしさとはなんですか?」
という言葉から始まります・・・。
そして、「“おいしい”という感じ方は人それぞれだと思いますが、ただ“おいしい”と感じる条件には共通点があると思うんです」と問いかけます。
まず、“おいしい”という感覚は、心と体がいいかたちで満たされた状態。おいしさは五感を喜ばせるものだという清水さんの言葉は、受講者の誰もが共感したのではないでしょうか。また、「いつ、どこで、誰と、どんな風になど、そのパンにまつわる幸せな記憶が、さらに“美味しい”という感覚を作りあげている」とおっしゃる清水さん自身、パンを好きになったきっかけの一つ、「子供の頃にお母さんが作ってくれたパンがおいしかったからという」理由がまさに“幸せな記憶=美味しい記憶”そのもの。
家族や周囲の方のために一生懸命心をこめてパンを作られている方であれば、誰しもが「おいしい記憶」として食べ手に残してあげたいと思うのではないでしょうか。
「作り手は食べ手の気持ちを考えて作り、そして、その思いを伝えること。一方、食べ手は作り手の気持ちを感じ、作り手の気持ちを知ろうとすること。この両者の共鳴がパンをより美味しくする」とおっしゃる清水さん。
様々なパンが作られ、多様な形態でパン売られるようになった中、どれだけの作り手の気持ちや思いが食べ手に伝わっているのか・・・そんなことを考えつつ、パンコーディネーターが「作り手と食べ手を結ぶ」役割を担う存在であってほしいと思いました。
<プロフィール>
清水 美穂子
All Aboutパンガイド/ブレッドジャーナリスト
東京生まれ。おいしいパンとそれをつくる人びとを取材する一方で、 日常の食事の愉しみ、bread+something good(パンと何かいいもの)を 提案する日々。関連企画のコーディネート、執筆、メディアでのコメント 多数。 総合情報サイトAll Aboutではパンのガイドとして、13万人あまり の読者を持つ。店舗設計施工の仕事にも携わる。
著書: 『おいしいパン屋さんのつくりかた』(ソフトバンククリエイティブ)、 『日々のパン手帖〜パンを愉しむsomething good』(メディアファクトリー)がある。