[協会設立記念講演]
4人のパンのスペシャリストが語る!“パンのおいしさについて”
第4回講演 : 西川 功晃シェフ
- 日時:
- 2008年1月29日(火)
- 時間:
- 19:00〜21:00
- 場所:
- 世田谷ものづくり学校
- 講師:
- 西川 功晃 (ブーランジェリー コム・シノワ シェフ)
記念講演最終回にあたる4人目のスペシャリストとして、ブーランジェリー コム・シノワ 西川功晃シェフをお招きし、パン作りの実演と試食を交えながらパンのソムリエ “パンコーディネーター”という存在とその必要性についてもお話しいただきました。
パン業界でも有名な西川シェフは、非常に感性が豊かで鋭く、常に斬新なパンを世に送り出しているパン業界の若き異端児ともいうべく存在。 その有名人がわざわざ神戸から来る!そして、パンの実演もすると言うこともあり、多くの方にご参加いただきました。 講演会は、90分で生地捏ね〜焼き上げまでできるパンの実演の合間に、西川シェフ自らご自身のパン人生等についてお話いただくという構成。 パン人生のお話は、20歳の時に勤めた広島アンデルセンでのパン修行から現在に至るまでの、多岐にわたる経験やパンへの思い、そして様々な人との出会いのエピソードについて熱く語られます。
「今の自分のパンづくりのスタイルは、これまで出会ってきたすべての人々からコーディネートされたものだと思っています」と話す西川シェフは、「そういう意味でも、今後、いろいろなカラーをもったパンコーディネーターがパンの今後に影響を与えるのでは?と思っています。とても楽しみです」とパンコーディネーターに向けてエールを送ります。
ちなみに西川シェフが中でも、もっとも影響を受け、現在でも影響を受け続けている人というのが「コム・シノワ」オーナーの荘司索氏。 実は、西川シェフが講演会で実演した生地の手捏ねから焼き上げまで90分でできてしまうパン(辛口ソーセージとチーズのポテトパン)は、荘司オーナーに15年前作ってもらったパンをアレンジしたものなのだそうです。西川シェフは、このパンに衝撃を受け、これまでの自分のパンづくりの感覚を覆されたのだとか。 型にとらわれず、短時間であっという間に焼き上げられたパンは、オーブンから出されて間もなく参加者の皆さんのもとへ・・・。真剣に耳を傾けていた顔がほころぶ瞬間です。
短い時間の中、惜しまれつつ終了した講演会でしたが、西川シェフをはじめ、私たちの「パン人生」にもこの講演が新しい発見や出会いの場となったのではないでしょうか。
<プロフィール>
西川功晃
ブーランジェリー コム・シノワ シェフ
1963年京都生まれ。20歳から広島「アンデルセン」で4年間、パン職人として修業後、東京の洋菓子店での数年間の洋菓子修業を経て、東京、芦屋の「ビゴの店」で再びパンの修業を始める。1996年、神戸でフランス料理を軸に新しいショップ展開をする「コム・シノワ」オーナーの荘司索氏と組んで「ブランジェリーコム・シノワ」を、続いて「ブランジェリーコム・シノワアンドオネストカフェ」をオープン。
若さあふれる鋭い感性から生まれる斬新なパンが注目され、料理とパンが融合したメニューで「食のトータル提案」を実現している。2004年、テーブルオーシャンとのコラボレーションにより、自身初のプロデュースとなるブランジェリー「PAINDUCE」を立上げ、これまで培ってきた経験と実績をベースに、これまでにない料理とパンの新たな世界を発信・提案し続けている。
著書/「新しい料理パンの世界 ブーランジェリー コム・シノワのパンとサンドイッチ」(旭屋出版) 「パンの教科書」(旭屋出版)、「バラエティーパンの教科書」(旭屋出版)など。